舞姫事件
4/15 声の優れた俳優によるドラマリーディング 日本文学名作選 第六弾「舞姫事件-鴎外輪舞曲-」
朗読劇は10/17の銀河鉄道の夜ぶりでした。
その理由を書き綴りたいと思う。
理由① 席
というのも…私の席がめちゃくちゃ良かった。最上手最前。ここを私は
Special Super Saito Soma Seat
と呼びたい。
私のために用意された席だ。5S。
ステージにはセットが組まれており、4~5段の入り組んだ階段状になっている。
1番下 下手にベンチ、上手に小さな段差
2段目 中央にスタンドマイク、上手に仕立ての良い椅子、サイドボード、レトロな街灯風ランプ
3段目 下手側のみマイクと椅子
たしかこんな感じ。ステージ頭上のライトも大正ロマンなランプになっていて、凝った装飾だった。
さて、5Sの話に戻ろう。
とにかくそうまさんは上手にいた。定位置に座っているだけでよく見えた。
何しろこの日は前髪が右分けだったしね!!!
物語中盤、ヒロインを思い視線を彷徨わせるシーン(だったような気がする)で目が合いました。
物語終盤、その時は来た。
最上手の少し段になったところに歩いて来て腰掛け(座る時骨の鳴る音がした)、川べりに座りながら過去のヒロインに想いを馳せる…というシーン、セリフがない間、目が合いましたとかのレベルじゃない、
そうまさんの前には私しかいなかった、
と言ったほうが正しい。朗読の合間に視線を客席に落とすのはいつもやっている手法だ。
これまでの朗読劇、リリイベの朗読もこれまで何回もそんな場に立ち会ったことがある。
だかしかしそんなものは比でなかった………
そうまさんの前には私しかいなかったのだ。
ほかのファンにいつ刺されてもおかしくない我が人生に一片の悔いなし。
何故私がこれを文章にしようと思ったのか。
それはこの朗読劇の中の斉藤壮馬があまりにも美しかったからだ。
明治大正をイメージした舞台セットに衣装、全てが役に入るそうまさんを「それ」にしていた。
留学中にエリスという踊り子と恋に落ちるが家のため、その性格のため、昇進のため、日本に帰る選択をする主人公はその苦悩を一生背負い続けることになる。
ラストは森鴎外の短編「普請中」を実際の森鴎外とエリスに見立てて演じられた。
結ばれない2人は日本の普請中(建築中、修繕中の)レストランで会食をする。
女がキスを求めても「ここは日本だ」と男は受け入れない。
「日本はまだ普請中なのだ」とBGMに「エリーゼのために」が流れて終わる。
この物語を時代が阻んだ悲恋ととるか、留学中の気の迷いからの愚かな恋ととるかは解釈によるだろうが、物語に入り込み、ここまで心に迫る物語を朗読で感じられたことが信じられない。
それを可能にしたのはいつも以上に入り込んだ演技だった。
集中力と体力を要する舞台だった。
エリス役の田所あずささんもとても可愛らしく、美人だった。白いワンピースがドイツで出会う悲しげな少女にぴったりだった。
儚く短いラブロマンスの物語パートはハラハラしてしまった。自分の中にこんな感情があるのかと思い知らされた。
そうまさんが「声優」でよかった
これが「朗読劇」でよかった。
そんなことを思うくらい素敵だった。
森鴎外の、俗世からは逃れられない人間味と故に思い悩む様はそうまさんの持つ哀愁とぴったりだった。
この朗読劇の楽日に選ばれた理由だと私は思う。
…声優・斉藤壮馬の魅力を余すことなく感じられた朗読劇は私の中でひとつのターニングポイントになった。
どんどん夢を叶えて現実にしていく姿は私を奮い立たせる。私も夢を叶えていきたい。
そんな風に思わせてくれる存在になりました。
4/22
27歳のお誕生日おめでとうございます。
これからもその「言葉の力」で世界を変えていって下さい。陰ながら応援しています。
大好きです。
杏理